運用型広告
Google・Yahoo!のリスティング広告はもちろん、Facebook・Instagram・LINE・XなどのSNS広告も運用が可能です。
Web制作

こんにちは!Webマーケティングの最前線で、日々クリエイティブ作成に奮闘しています。
目次
皆さん、広告クリエイティブや広告文を作成する際、「ついつい商品や価格のメリットを詰め込みすぎてしまう」という経験はありませんか?
「〇〇成分がすごい!」「初回限定で半額!」
これらは確かに重要ですが、売る側の視点に偏ってしまい、ユーザーの心の声や購入検討のフェーズを置き去りにしてしまうことが多々あります。
私自身も、業務で多くのクリエイティブに触れる中で、いかにユーザー目線を持つことが成果に直結するかを痛感しています。
今回は、私が以前から興味を持っていた「広告表現」に関する知見と、実務で得た学びを組み合わせて、「ユーザーの反応プロセス」に合わせたクリエイティブ設計のヒントをご紹介します。
前提として、広告の役割は、単に情報を伝えるだけでなく、「販売促進」や「認知拡大」といった目的を達成するための企業と消費者のコミュニケーションです。
しかし、消費者は商品やサービスについて知ってから購入に至るまでに、いくつかの心の段階を経ます。
この消費者の反応プロセスを体系的に説明するのが「反応プロセス・モデル」であり、代表的なものにAIDAモデルがあります。
企業は、ターゲットユーザーが現在どの段階にいるのかを把握し、そのフェーズに最適なメッセージを発信することが成功の鍵となります。
ここで、誰もが知るロングセラー商品、森永乳業の「ピノ アーモンド味」の単品発売時の広告事例をご紹介します。
長年アソートパック限定フレーバーとして絶大な人気を誇り、ファンクラブまで開設されていたアーモンド味が、満を持して単品発売された際の新聞広告には、驚きの表現が使われました。
- 「在庫とトラウマが残りました」(テスト販売失敗に触れた自虐表現)
- 「今度こそ売れたい。売れますか?売れますよね?」(企業側の率直な不安を表現)
この広告やSNS投稿は大きな反響を呼び、多くの「いいね」やリツイートを獲得しました。
ピノは長年の歴史を持つ商品であり、多くの消費者にとって既に「Attention(認知)」の段階はクリアしています。そのため、単に「おいしさ」や「成分」をPRするだけでは、情報がスルーされてしまう可能性が高いです。
この事例での広告は、AIDAモデルでいうところの「Interest(関心)」や「Desire(欲求)」といった情動段階への訴求だと考えられます。
優れた点ではなく、「失敗の過去」や「不安」をあえて自虐的に打ち出す。
これにより、単なる商品説明では生まれない「共感」や「応援したい」という感情を誘発し、消費者の関心を再喚起し、購入への欲求を掻き立てたと言えます。
このピノの事例から学べるのは、いきなり商品メリットをアピールするよりも、ユーザーの注意を引く「フック」が重要だということです。
最近のSNS広告では、「最初に否定から入る」クリエイティブをよく見かけます。
これは、ピノの広告と同様に、ユーザーが抱える課題やネガティブな感情に寄り添う、あるいは共感を誘う表現をあえて提示することで、情報のスルーを防ぎ、その先の解決策(=自社の商品・サービス)に引き込む手法です。
BtoBの文脈においても、ターゲット企業が抱える「あるあるな課題」や「隠れた悩み」に触れることで、以下のような流れで関心を引き出すことができます。
広告の効果は、クリエイティブを作成して終わりではありません。重要なのは、その広告がユーザーのどの反応段階に働きかけ、具体的にどのような数字の変化をもたらしたのかを検証し、PDCAサイクルを回し続けることです。
これからも、一つ一つのクリエイティブがクライアントの成果に繋がるよう、インプットとアウトプットを繰り返し、より実践的な知見を共有してまいります。

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